観察から掃除へ~掃除論~

「観察の練習」という本が好きです。
日常のつぶさなことを観察すること。それからデザインに結び付けるということを僕は、ずっとやってきているわけですが、「観察」という行為をひたすら「練習」することがとても大切だとこの本は教えてくれます。言い換えれば、「練習」すれば誰でもある一定の「観察」する力をつけることができるということです。「観察」することで、何か不思議なことや不自然なことに気づくことができるし、今まで自分が「普通」だと感じていた部分が実は「普通」ではなく「異常」だということも学ぶことができます。ここで、観察というところから掃除するというところにジャンプしてみます。掃除とは、ただ単純に掃除をしている人は少なくて、どこが汚れそうかとか「ゴミ」をつぶさに観察してから掃除している人がほとんどではないでしょうか。例えばリビングのテーブルの下は汚れているだろうとかここはホコリが溜まっていそうだとか。みんな無意識に「掃除」という行為からゴミというものの観察をしているのではないでしょうか。つまりは、「掃除」は大切なことだということですね。そういったことって実は掃除以外にもたくさんあるのではないでしょうか。
昔学生の頃、ある先生がこんなことを言っていました。
「掃除ができねえヤツは建築なんかするんじゃねえ。」と。
その時、掃除という普通に考えれば建築と全くつながらないことを結びつけたという言葉のダイナミズムを肌で感じた貴重な経験で鳥肌が立ったのを覚えています。
これからも様々な観察を通して、新しい価値に転換していけたらと思います。