回転する壁をもつ鳥の住宅

この住宅は、小さな鳥の住宅である。鳥という動物の住まいを通してヒトという動物の住まいを見つめ直すことができるのではないかと考えた。ではなぜ鳥の住宅なのかというと、人類と鳥類は、容姿が全く違うにもかかわらず、共通する部分が数多く存在する。鳥は、人間と同じく、コミュニケーション能力を備え、豊かな感情を持ち、空間や周囲の環境を体感し、独自の美学を持つ。つまり鳥は、人間と同じく、独自の快適性を持つということである。つまり、鳥の快適性を探ると逆説的に人の快適性にたどり着くという仮説が成立する。
鳥小屋は本来鳥の巣作りを手助けするためのもので、巣作り以外は使わないことが一般的である。常に使える鳥小屋とは何か。常に使える鳥の住宅とは、巣ごもりというプライベート性と鳥たちがコミュニケートしあうパブリック性の両方を兼ね備えた住宅である。
そこで回転する壁をもつ鳥の住宅を考えてみる。回転する壁は鳥の快適性に俊敏に反応する。閉じるときは閉じる、開くときは開くという自然に対してメリハリのある生活ができる。こうした鳥の住宅は、落着きある楽しさも兼ね備えたプライベートとパブリックが交錯するハイブリッドな住宅となる。
この住宅は工事費わずか500円でできる。そのため極限の材料によりDIYでも製作可能とする。金物を一切使わないことで、住宅がゴミとならずに土に還る。表面のガスバーナー仕上は、木肌に馴染むとともに防腐処理に優れる。
□敷地:福井県坂井市
□敷地面積:326.7㎡
□建築面積:0.0533㎡
□延床面積:0.0533㎡