1702本のせんりつ

場所は、福井市内にあるオフィスビル内のエントランスの一角にある休憩スペースである。このオフィスビル内には、カフェも併設しているため、オフィスビルで働く人々以外の人たちも多く訪れ、この休憩スペースも色々な人々が使っている。その休憩スペースは、ただイスやテーブルが置かれているだけで、空間としては寂しげな雰囲気を醸し出していた。そんな休憩スペースをファブリックのもつ力で、癒したり、楽しくさせたり、ワクワクするような休憩スペースに生まれ変わらせる。このプロジェクトは、ファブリックによる楽しく新しいライフスタイルの挑戦である。この休憩スペースは、休憩する人が自ら主体的に居場所をつくっていくことになる。それは、草をかき分けて道や場所をつくり出していく感覚と似ている。天井からつりさげられた無数の「ひも」。その「ひも」を束ねたり、かき分けたりすることで居場所を演出する。「ひも」の束ね方によって、休憩スペースがゆるやかに分節され、使い手それぞれが思い思いの時間を過ごすことができる。また、「ひも」を束ねるタッセルの高さによっても、「ひも」のたわみ方が変化するので、様々な空間の大きさをつくり出すことができる。ひもという線によって、空間の旋律を形成し、空間の新しいつながりを生み出すだろう。
□敷地:福井県福井市
□敷地面積:-㎡
□建築面積:-㎡
□延床面積:16.2㎡