MOKKAN

□Background
「4 枚の板を組み合わせるだけで、いかに面白い遊具を生み出すことができるか。」
これが、このプロジェクトである「MOKKAN」(木感)のはじまりだった。子どもは遊びの天才であり、最強のクリエーターであるということを忘れずにデザインすることを心がけデザインを行った。つまりそれは、きっかけさえあれば、遊具として成立するということである。その「きっかけ」をシンプルにデザインしたものがこの遊具である。

 

□Concept
・CLT(Cross Laminated Timber)のもつ強度を活かした次世代型木製遊具
・パネルの組み換えによりバリエーションが広がる遊具
・難しい加工を必要としないシンプルなディテールにより経済的な遊具
・パネル同士を組む際に金物やその他部品を必要としない安全な遊具
・ヒノキ(愛媛県産材)の良さを、五感を通して感じることができる遊具
□About panel
パネルのサイズは、W1200×H1200×D90 である。そのパネル4 枚を1 セットとしている。各パネルの穴は、それぞれ「まる」「さんかく」「しかく」「じゆう」という形をもとにデザインしている。同一の穴で統一してしまうのではなく、子どもたちにとって馴染みのある形であったり、色々な穴の形が重なりあったりすることで、思いがけないアクティビティが生まれる可能性をもたせ、子どもたちのきっかけを手助けする。

 

□Detail of panel
パネルのつなぎ方は、日本古来より培われてきた在来軸組工法の継手を参考にする。伝統的な在来軸組工法の継手は、釘などの金物を一切使わない。継ぐ部分に工夫を凝らすことで、本来柔らかい木が非常に強い構造なった。在来軸組工法の継手の中でも、「あり継ぎ」というとてもシンプルな継ぎ方に着目しデザインする。
4 枚のパネルを接続する。接続部分には、金物やその他部品を使用せずに、安全性を確保する。組み立てやすさも重要である。パネルの接続は、この遊具の肝である。それは、組立てやすさと強度のバランスが求められる。また、加工する上でもできるだけ複雑な形状とならないようなディテールを検討した。そんな中で、繰り返されるデコボコした接続部分のディテールは、組み立てやすさ、パネルの組み合わせの自由度、接続強度、加工のしやすさという視点から見ても、とても理にかなった形状である。

 

※製作・開発:合同会社mogana