コンテンツへスキップ
この住宅は、回転する壁をもつ鳥の住宅から派生したプロジェクトである。敷地は自然豊かな山間地の川のほとりである。そこに小さな住まいを計画する。小さいがゆえに必然的に外とつながろうとする、開かれた住宅の可能性を探る。住まいを開くといっても、自然豊かな場所での住まいの開き方とはどのようなものだろうか。自然環境は、時に厳しく、時にやさしく人々を許容する。そのため、自然環境に応じて住まいの開き方を選択できるような住まい方はできないだろうか。そこで、様々な大きさの回転する壁を設置する。天気が悪いときは、回転する壁は閉じられる。光だけ入れたいときは少しだけ壁を回転させる。天気が良く風が気持ちいいときは、回転壁をくるくる回し、自分のお気に入りの空間をつくることができる。自然環境や自分の気分で空間が変化していく。閉じるときは閉じる、開くときは開く。そういった思い切りの良い開かれた住宅がとても理にかなった自然との向き合いのような気がする。開くこともせず、閉じることもしない小さな住まい。そんな住まいは周辺の結びつきを強く求めるだろう。この建築をきっかけとして、大自然の中で住まいを開くということの新しい価値観が芽生えることだろう。
□敷地:福井県坂井市
□敷地面積:320㎡
□建築面積:20㎡
□延床面積:20㎡