ますどけい

ますどけい

 

これは、木のかたまりのような卓上の置時計である。その木のかたまりは、つい手に乗せたくなるような、不思議な時計である。よく見ると、その木のかたまりは、単なる木のかたまりではない。それは、あの枡である。枡は本来、計量器として使われていたが、最近では酒器としても使われることがある。そんな枡だが、枡をモノとして見つめたときに、その洗練された美しさに目を奪われる。枡独自の「格子組」や「あられ組」は、まさに日本の伝統工芸品である。しかし、日本の伝統工芸品にもかかわらず、値段は驚くほど安価である。枡は、私たちにとって、とっても身近な日本の伝統工芸品なのだ。その枡(一合枡)をシンプルに使ったアナログの置時計は、時を刻む心地よい音とヒノキによるやさしい香りをそっと届ける。ますどけいは、今日も机の片隅でひっそりと愛らしく佇んでいる。