コンテンツへスキップこのプロジェクトは、玄関に面する建具の改修の計画である。
施主は、この住宅をSOHOとして使用する予定なのだが、予算が厳しかったため、最小限の工事で、玄関をパブリック
(お店)としてもプライベートとしても利用したいと相談にきた。施主と話しているうちに、玄関の建具に着目した。
パブリックとプライベート(開と閉)の両方を兼ね備えた建具として捉えると、最小限で最大の効果が得られる可能性
に気づいた。そしてさらに、開と閉の曖昧さを実現しようとしたときに、元々備え付いていた障子の存在に気づいた。
もともと障子とは、外部に面する開口部と内部の境界に存在するもので、その境界に和紙というやわらかく薄いもので
外と内をやわらかく分節している。つまり、大掛かりな建具の改修をせずとも、障子に少し手を加えるだけで、曖昧さが生み出せるのではないかと考えた。そこで障子にいくつかの小さなあなを空けることにした。あなは、見えるようで見えないが、気配は感じるといったような曖昧さを実現させた。また、あなから入る光は内部に驚きと美しさを同時に届けてくれる。しょうじのあなは、まちといえと自然をゆるやかにつなげる環境装置となった。
□敷地:福井県坂井市
□敷地面積:327㎡
□建築面積:125㎡
□延床面積:225㎡